間葉系幹細胞である証明

間葉系幹細胞ができること

血管の再生

血管の再生イメージ

最も注すべきは「血管再生」

高齢化社会をむかえ、発生率が増える一方の脳卒中。今まで脳卒中に対する医療研究は、脳神経幹細胞を用いたものに力が入れられてきました。中でも期待が集まっているのが「血管再生」に的を絞った再生治療です。 現在行われている血管の再生治療法は、患者様の体内に存在する「間葉系幹細胞」を利用するもの。この治療は、細胞や血管を新たに作る作用を持つサイトカイン(細胞から放出され、さまざまな細胞間情報伝達分子となる 微量生理活性タンパク質)をつかって、血管再生をうながす手法です。

普及が進む間葉系幹細胞をつかった血流改善

最近では多くの病院で、血管が詰まり血行不全を起こした足や心筋・脳などに、間葉系幹細胞を含む骨髄液が投与されています。間葉系幹細胞をつかった治療で、あたらしい毛細血管を作り出し、血流を改善する試みが行われるようになってきたのです。

神経細胞の活性化及び再生

壊れた脳細胞周囲の神経細胞に対する働き

間葉系幹細胞ができることの一つに、神経幹細胞として働くことがあげられます。この間葉系幹細胞の働きを利用すれば、壊れた脳細胞周囲の脳神経細胞の活性化と再生が期待できます。当院では間葉系幹細胞の投与し、内因性神経の再生を活性化。神経幹細胞をより定着させ、傷ついた神経細胞を再生させる治療を行っています。

今後も研究が進む間葉系幹細胞と神経細胞の関係

現在のところ、投与された間葉系幹細胞が確実に神経細胞になることが実証されているわけではありません。しかしながら間葉系幹細胞と神経細胞には強い関係性が認められています。当院でも間葉系幹細胞を使った神経細胞の活性・再生治療によって、目覚ましい効果を得られた患者さまは数多くいらっしゃいます。間葉系幹細胞が確実に神経細胞に変化するための研究は進んでおり、今後その成果に注目したいところです。

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血管の修復

脳卒中再発の予防

そのほか間葉系幹細胞には、「血管の修復」作用も期待できます。これは先ほどの「血管の再生」に近い働きといえるでしょう。ただこの作用は血管の再生とはちがい、すでに脳卒中を起こしてしまった患部に対する働きではなく、今現在多少ダメージはあるものの、脳卒中を引き起こすまでには至っていない弱った血管を、今後脳卒中が起きにくいように修復する。いわば再発の予防といえる作用です。
脳卒中の患者さまの多くが、「また発作が起こるのではないか?」という不安をお持ちなのではないでしょうか。このような患者さまの不安や心配を解消するためにも、脳卒中の再発予防対策は必要です。間葉系幹細胞を使った脳卒中再生医療は、脳卒中の再発予防に有効な方法としても、注目すべき手法といえます。

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間葉系幹細胞である証明

当院で培養してできた細胞が、
明らかに間葉系幹細胞であることを証明する為に検査を行いました。

細胞は顕微鏡で見た形だけでは、その細胞が何の細胞であるかどうかわかりません。
その細胞が何であるのかを知るには、細胞の表面に「しるし」があるかないかを検査して特定します。
この「しるし」というのが、表面マーカーといい、約350種類あります。
表面マーカーは、CD○○と番号が振られているのですが、ひとつだけあったからといってその細胞が特定されるわけではありません。
各々の細胞には、存在しない表面マーカーと存在する表面マーカーが定義されています。
その定義されている表面マーカーを調べることにより、細胞が何であるかがわかるようになります。

40倍に拡大した間葉系幹細胞40倍に拡大した間葉系幹細胞

この度、ふくとみクリニックでは培養した間葉系幹細胞のCD値を関西医科大学で測定しました。
結果、以下の表にあるように数値が測定され、ふくとみクリニックで培養している細胞は間違いなく間葉系幹細胞だと証明することができました。

培養を行った間葉系幹細胞の各CD値

培養を行った間葉系幹細胞の各CD値

間葉系幹細胞(MSC)の定義

存在する表面マーカー
(Positive marker)
CD105、CD73、CD90

存在しない表面マーカー
(Negative marker)
CD45、CD34、CD14、CD19

「脳卒中再生医療」とは、
厚生労働省より再生医療等提供計画番号:PB5160002を取得している治療方法です。

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