2014.04.11
ふくとみクリニック院長の福富です。
前回のお話の続きです。
僕がこの治療を行うようになった決定的な理由についてです。
それは僕の「医師」そして「人」としての考え方によるものなのです。
世の中に「必要とする人」がいて、それを「提供できる人」がいたとします。
それを第三者がしてはいけないとストップをかけてしまうことに対して僕はおかしいと思うのです。
僕が小児外科をしていた頃、まだ小児の心臓移植は国によって規制をかけられていました。
日本において、自分の子供が脳死状態になって、
他人に心臓という臓器を提供できる親御さんは皆無かもしれません。
このことは小児外科をしていれば一目瞭然です。
でも0ではないと思っています。いるはずだと思っています。
そして、心臓を提供してほしい子供や親御さんはたくさん存在します。
子供の心臓は小さいため、大人の心臓を移植するわけにはいきません。
ですから子供の心臓が必要なのです。
もし心臓を提供して自分の子供の心臓がどこかで生き続けていることを願い、その心臓の提供を受けた子供が元気に生活していけるのであれば提供してもいいと仰る親御さんと、心臓を提供してほしい親御さんがいたとします。
でもこの臓器提供を第三者がダメだというのです。
おかしいと思いませんか?
僕はおかしいと思っていましたし、今も思っています。
何も悪いことをするわけではありません。
人が助かることなのです。
当然、手術の成功率の問題もありました。
でも移植をやってみないことには、成功率もへったくれもありません。
ましてや、提供したいという親御さんの善意を無駄にしてしまうのです。
「欲しいと思う人がいて、提供できる人がいる。それを第三者が否定するべきではない」
というのが僕の考え方です。
賛否両論あると思いますが、これが僕の考え方であり、生き方です。
この用の考え方は、医者になる前から持っていました。
このエピソードについてはまた後程お話ししたいと思います。
このような考え方から、「脳卒中再生医療をしてほしい人」がいて「脳卒中再生医療ができる環境」がふくとみクリニックにはあるのであれば、この脳卒中再生医療を行うべきだというのが僕の結論だったのです。
そして実際にこの先生に、ふくとみクリニックにおいて民間医療機関として初めて脳卒中再生医療を行ったのです。
その後、この治療を行った先生の経過もよく、この治療をふくとみクリニックで行ったことを知ったほかの患者さんが僕のところにこの治療をしてほしいと来院されたのです。
この患者様に十分な説明をし、脳卒中再生医療を行いました。
僕にとっては当然の行動でした。
この時はまだ、この治療は公にはしておらず、紹介の方のみにこの治療を行っていました。
この治療を行われた方は症状の改善が認められ、本人とご家族の方に大変満足していただき人生を前に進めるお手伝いをさせていただきました。
本当にうれしかったのを覚えています。
そして自分の行ったことは、決して間違いではないことを確信したのです。
そんな最中、まさか僕が小脳梗塞で倒れて長期入院を余儀なくされてしまうことになったのです。
この続きは次回以降にお話しさせていただきます。