治療内容と経過
患者様は右被殻出血を発症、治療開始は発症から1年7か月後でした。
長距離の移動では車いすを使用し、短下肢装具と四点杖での歩行が可能な状態でした。
肩には亜脱臼傾向があり、手指はわずかに動く程度。
それでも「車の運転は続けたい」「また海を見に行きたい」という強い思いを持って当院を受診されました。
《1回目の投与 ― 感覚が戻る“最初の手応え”》
1回目の幹細胞投与後、患者様は「足の感覚が少し戻ってきた気がする」と話されました。
長く続いた麻痺の中で感じた小さな変化は、患者様にとって大きな希望となりました。
《2回目の投与 ― リハビリとの相乗効果で歩行が安定》
2回目の投与までの間、患者様はリハビリで指導された内容を毎日継続されました。
その積み重ねが治療効果と重なり、次のような変化が現れました。
• 歩行時の片寄りが改善し、まっすぐ歩けるようになった
• 足がしっかり上がるようになった
• 左手足の感覚がより明確に分かるようになった
診察時には歩行の安定性が明らかに向上し、ご本人も「歩ける自信がついた」と表情が明るくなっていきました。
《3回目の投与 ― 姿勢の改善と“身体の温かさ”の回復》
3回目の投与後には、生活の質に直結するさらなる変化がみられました。
• 姿勢が良くなり、歩行がよりしっかりしてきた
• いつも冷たかった左足が温かく感じられるようになった
• 左上腕をつまむと感覚が分かるほど、感覚の改善が進んだ
「冷たかった足が温かくなった」という変化は、患者様ご自身が特に驚かれたポイントで、身体の回復を強く実感されていました。
“行きたい場所へ行ける”という喜びの回復
治療とリハビリを重ねた結果、現在は車の運転も問題なく行え、好きだった海やお寺巡り、旅行にも積極的に出かけられています。
「また行きたい場所に、自分の足で向かえるようになった」
その実感が、患者様の生活を大きく前向きに変えています。
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【福富康夫院長コメント】
本症例は、再生医療と日々のリハビリが相乗的に働くことで、歩行機能・姿勢・感覚といった多方面の改善が得られ、生活の質が大きく向上した一例です。
“好きな場所へ行ける生活”を取り戻した患者様の姿は、脳梗塞になった僕もうれしく思うのと同時に、同じように悩まれている方にとって大きな励みとなるでしょう。
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