スタッフブログ
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- 2025.09.01
麻痺を評価するということ
では、その「随意運動の障害」を
理学療法士としてどのように評価し、どのレベルまで分解し、
どのように介入へとつなげていくべきなのでしょうか。
私はこう考えています。
まず大切なのは、
「麻痺=筋力が弱い」と短絡的に捉えないことです。
随意運動とは、単に筋肉が収縮することではありません。
そこには、
・運動を企図する(運動イメージ)
・運動指令を生成する
・適切な筋へタイミングよく伝達される
・必要な出力が発揮される
・拮抗筋が過剰に働かない
・感覚フィードバックをもとに微調整される
といった、複雑なプロセスが存在しています。
つまり「運動麻痺」とは、
このどこかのプロセスが破綻している状態だと考えられます。
例えば、脳血管障害後の片麻痺の方。
膝伸展がうまく出ない場合、
それは本当に「大腿四頭筋の筋力低下」なのでしょうか?
・運動の立ち上がりが遅いだけかもしれない
・過剰なハムストリングスの活動がブレーキになっているのかもしれない
・体幹の不安定さが出力発揮を妨げている可能性もある
・そもそも「膝を伸ばす」という運動戦略が選択されていないこともある
もし「麻痺=筋トレ」と考えてしまえば、
介入は単調になり、効果も限定的になります。
しかし、
「随意運動のどの要素が障害されているのか?」
と分解できれば、アプローチは変わります。
・運動開始が遅いなら → 反応性を高める課題
・共同運動が強いなら → 分離運動を引き出す環境設定
・出力が弱いなら → 負荷設定の工夫
・感覚入力が乏しいなら → 触覚・荷重刺激の強調
つまり、
“麻痺を診る”のではなく、“運動を診る” という視点です。
麻痺という言葉は、
あまりにも包括的で、あまりにも曖昧です。
だからこそ私たちは、
その中身を分解し続ける必要があります。
そしてもう一つ重要なのは、
随意運動は「再学習できる可能性がある」ということです。
神経可塑性という概念が広く知られるようになった今、
「麻痺=治らない」という考え方は、少しずつ変わってきています。
もちろん、損傷そのものが消えるわけではありません。
しかし、運動の再編成は起こり得ます。
だからこそ私は、
「この人の麻痺はどこまで変わり得るのか?」ではなく、
「この人は、どのように運動を再構築(再学習)できるのか?」
というポイントを大切にしています。
ブログ著者

認定理学療法士認定証
脳卒中リハビリテーションセンター
山本 義隆
理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
