スタッフブログ

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  • 2025.10.01

麻痺していない手足は、“健側”ですか?

昔は「健側・患側」という言葉が当たり前に使われていました。
しかし現在、専門職の間では「麻痺側・非麻痺側」という表現が一般的です。

この違い、説明できますか?

一見すると、
非麻痺側 = 健康な側
のように思えます。

ですが、実はそう単純ではありません。


なぜ麻痺は反対側に出るのか

運動麻痺が反対側に出る理由は、
延髄にある「錐体交叉」にあります。

大脳皮質から出た皮質脊髄路の神経線維は、
延髄レベルで約90〜95%が反対側へ交叉すると言われています。

そのため、
右脳を損傷すれば左半身に、
左脳を損傷すれば右半身に、
麻痺が出現します。

では、残りの約5〜10%はどうなるのでしょうか。

それが「交叉しない線維」です。


非麻痺側にも“影響”はある

交叉しない線維(前皮質脊髄路など)は、
主に体幹や近位筋の制御に関与すると考えられています。

つまり、中枢性の損傷が起これば、
非麻痺側にも神経学的な影響は存在する ということです。

ここが「健側」と言わなくなった理由です。


臨床でよくある場面

患者さんで、こんな場面はありませんか?

「非麻痺側で片脚立位が安定しない」

整形外科の患者さんであれば、
例えば片足を骨折しても、若年者ならケンケンで移動できます。

しかし、脳血管障害後の方では
非麻痺側でも片脚立位が不安定なケースが少なくありません。

それは単なる廃用ではなく、

・体幹制御の低下
・両側性の神経支配の破綻
・姿勢制御ネットワークの障害

といった中枢性の要素が背景にある可能性があります。


「動く」ことと「制御できる」ことは違う

非麻痺側は確かに随意運動は可能です。
しかし、

動くこと
と
うまく制御できること

は別問題です。

ぎこちなさや不安定さは、
この“両側性制御の破綻”を反映しているのかもしれません。


だから「非麻痺側」

「健側」と呼んでしまうと、
そこに問題はないという前提になります。

しかし実際は、

非麻痺側も
・支持基底面を担い
・姿勢制御を補い
・再学習の土台になる

重要な側です。

だからこそ、
単に「麻痺側を鍛える」のではなく、

“両側でどう運動を再構築するか”

という視点が必要になります。

ブログ著者

  • 認定理学療法士認定証

脳卒中リハビリテーションセンター

山本 義隆

理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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