スタッフブログ
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- 2026.02.16
“真っすぐ”って何ですか?
リハビリの現場で、よく耳にする言葉があります。
「〇〇さん、真っすぐ座ってください。」
でも、少し立ち止まって考えてみたい。
そもそも“真っすぐ”って何でしょうか?
私たちは何を基準に「真っすぐ」と判断しているのでしょう。
■ 真っすぐには基準がある
“真っすぐ”とは、方向そのものではありません。
それは、
ある基準点に対する相対的な位置関係です。
左右
前後
上下
これらが認識できるのは、
身体の中に「基準」があるからです。
その基準こそが、正中線です。
■ 正中線はどのように形成されるのか
正中線は、生まれた瞬間から完成しているわけではありません。
乳児は発達の過程で、
・自分の手を見つめる
・左右の手を触り合わせる
・足を口に運ぶ
・身体を捻る
そうした経験を繰り返しながら、
「身体の真ん中とは何か」
「右と左とは何か」
を学習していきます。
この経験の蓄積によって、
脳内に**身体図式(body schema)**が形成されます。
そしてその身体図式を土台として、
主観的な身体像、つまりボディイメージが形づくられます。
身体像があるからこそ、
私たちは空間の中で自分の位置を理解し、
適切な運動を生み出すことができるのです。
■ 正中線が崩れると何が起こるのか
脳卒中になると、この仕組みが破綻しやすくなります。
・運動麻痺
・感覚麻痺
・半側空間無視
・体性感覚の低下
適切な感覚入力が得られなくなると、
身体図式は徐々に歪みます。
するとどうなるか。
「真っすぐ」が分からなくなる。
本人は真っすぐだと思っている。
しかし実際には傾いている。
それは努力不足ではなく、
基準そのものが揺らいでいる状態なのです。
■ 真っすぐに座れないのではない
真っすぐが分からないのです。
だから力で修正しようとする。
だから突っ張る。
だから恐怖が生まれる。
これまで書いてきた、
・姿勢の定位
・恐怖と予測
・突っ張り
・育ち直し
すべては、この「正中線」という概念とつながっています。
■ 正中線を取り戻すとは
リハビリとは、
単に姿勢を整えることではありません。
それは、
身体の中に基準を再構築すること。
重力との関係
支持面との関係
視覚との統合
触覚の明確化
それらを通して、
「ここが自分の真ん中だ」という感覚を再び育てること。
「真っすぐ座ってください。」
その言葉の裏にあるのは、
単なる姿勢修正ではなく、
その人の正中線を取り戻す作業なのかもしれません。
ブログ著者

認定理学療法士認定証
脳卒中リハビリテーションセンター
山本 義隆
理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
