スタッフブログ

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  • 2026.03.14

「歩けるようになる」とはどういうことか

― 重心と正中から歩行を再構築する ―

「歩けるようになりたい」

この言葉に対して、
私たちは何をリハビリしているのでしょうか。

歩行とは単なる下肢運動ではありません。

重心を制御しながら、身体の正中を保ち、前方へ移動し続ける課題です。


歩行の本質は“立脚期”にある

歩行 = 交互に行われる片脚立位制御の連続

多くの症例で問題になるのは遊脚ではなく、
麻痺側立脚期の不安定性です。

背景には

  • 正中感覚の破綻
  • 荷重不安定性
  • 抗重力伸展活動の低下

があります。


図解①:麻痺側に乗れない状態

特徴

  • 重心が常に健側へ偏る
  • 麻痺側股関節が支持点として機能しない
  • 骨盤が水平保持できない
  • 立脚期が短縮する

→ 遊脚の問題は二次的に出現


図解②:正中が再構築された状態

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kigyou-pt/20210208/20210208082509.jpg
https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20180309155352_20.png

特徴

  • 重心が立脚側へ明確に移動
  • 骨盤が安定
  • 体幹の抗重力伸展活動が出現
  • 推進方向が前上方へ整う

感覚が変わると、運動出力は自然に変わります。


症例紹介(発症2年・右片麻痺)

発症2年経過の右片麻痺の方。

主訴は
「右脚が引っかかる」「歩幅が出ない」

評価では

  • 右立脚期の極端な短縮
  • 骨盤の左偏位
  • 右足底荷重感覚の希薄
  • 右股関節伸展活動の低下

当初は「筋力不足」と説明されていました。

しかし実際は、

右に身体があるという感覚が弱い状態でした。

介入では

  • 足底圧入力の明確化
  • 股関節での荷重受容の再学習
  • 骨盤帯アライメントの再構築
  • 体幹伸展方向への誘導

を優先。

2週間で

  • 右立脚時間延長
  • 骨盤偏位減少
  • 足部把持軽減
  • 歩幅の自然な拡大

が出現。

筋トレはほぼ行っていません。


当院のアプローチ

当院では医師と連携しながら、

感覚入力を高め、麻痺側への荷重を促し、正中感覚の再獲得を支援することで歩行を再構築します。

まず正しく理解すること。
そこから回復の道筋が見えてきます。

ブログ著者

  • 認定理学療法士認定証

脳卒中リハビリテーションセンター

山本 義隆

理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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