スタッフブログ

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  • 2025.11.01

足が悪いのではなく、上(上半身)から崩れている

前回のブログで、非麻痺側(健側)についてお話しました。

では、普段運動をしているときに姿勢や運動を制御しているのは下肢だけでしょうか?

「足のバランスが良ければ姿勢は保てる」
本当にそうでしょうか?

上肢や肩甲帯の影響を忘れてはいけません。

人体において、上肢(肩甲帯から手部までを含む)は
体重のおよそ5%前後を占める と報告されています。

体重60kgの方であれば、約3kg。
2Lペットボトル1.5本分ほどの重量が、常に体側に存在している計算になります。

もしその上肢が、脳卒中を患って

・随意的にコントロールしにくい
・肩甲帯の位置が不安定
・筋緊張の影響で下制・内旋方向に偏位している

というような状態になればどうでしょうか。

その質量が、ただ“ぶら下がっている”だけでも、
身体にとっては大きな外乱(重り)になります。

重たい荷物を片手で持てば、
体幹は自然と傾き、反対側で調整しようとしますよね。

麻痺側上肢も同じです。

しかも中枢性麻痺の場合、
上肢は単に「重い」だけではありません。

・運動出力の不安定さ
・共同運動の出現
・肩甲帯と体幹の協調不全

これらが加わることで、
姿勢制御システム全体に影響を及ぼします。

つまり、

姿勢は“下肢だけ”で制御しているわけではない のです。

非麻痺側下肢が不安定になる背景には、
体幹制御の問題だけでなく、
麻痺側上肢・肩甲帯の影響が隠れていることもあります。

足が悪いのではなく、
上から崩れている。

そう考えると、見えるポイント(評価の視点)は変わります。

だからこそ、

・麻痺側上肢のポジショニング
・肩甲帯のアライメント調整
・体幹との協調性の再学習
・荷重下での上肢の位置制御

といった介入は、

起立・歩行・ADL の土台を整える極めて重要な治療戦略 になるのです。

「歩けるようにするために、腕を診る。」

一見遠回りに思えるかもしれません。

しかし、中枢神経疾患においては、
身体は常に“全体”で機能しています。

麻痺側か、非麻痺側か。
下肢か、上肢か。

そう分けて考えるのではなく、

“その人の運動システム全体”をどう再構築(再学習)するか。

とても重要な視点だと考えています。

ブログ著者

  • 認定理学療法士認定証

脳卒中リハビリテーションセンター

山本 義隆

理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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