スタッフブログ
スタッフブログ
- 2026.08.06
装具は何年使える?「耐用年数」と医療保険・身体障害者手帳制度について理学療法士が解説
前回は、
「装具って、いつ作り直したらいいの?」
「誰に相談すればいいの?」
という疑問について、装具を見直すタイミングや相談先についてお話ししました。
今回は、その続きとしてよくいただく、
「この装具は何年くらい使えるのでしょうか?」
「壊れていないけど、このまま使い続けて大丈夫ですか?」
という疑問について、理学療法士の視点から解説します。
装具は一度作れば一生使えるものではありません
脳卒中後の歩行を支える装具は、毎日の生活を助けてくれる大切な道具です。
しかし、装具も靴や衣類と同じように、使用することで少しずつ変化していきます。
例えば、
・ベルトが伸びる
・パッドが擦り減る
・プラスチック部分のしなりが変化する
・足継手などの部品が摩耗する
など、毎日の使用によって劣化が起こります。
また、変化するのは装具だけではありません。
脳卒中後の身体も、時間の経過とともに変化します。
リハビリによって筋力や歩き方が改善することもあれば、
・筋緊張の変化
・関節の硬さ
・足の変形
・歩行パターンの変化
などが起こることもあります。
以前は合っていた装具でも、現在の身体には合わなくなることがあります。
大切なのは、
「何年使ったか」ではなく、「今の身体に装具が合っているか」
という視点です。
「耐用年数」とは何でしょうか?
装具について調べると、「耐用年数」という言葉を目にすることがあります。
耐用年数とは、通常の使用状況において、修理や交換を検討する際の目安となる期間です。
しかし、ここで注意していただきたいことがあります。
耐用年数についてのよくある誤解
| よくある誤解 | 正しい考え方 |
| 〇年経ったら必ず作り直す | 装具の状態や身体の変化を確認して判断する |
| 〇年以内は作り直せない | 必要性があれば見直しを検討する |
| 壊れるまで使うもの | 身体に合っているか確認しながら使うもの |
つまり、
耐用年数=交換する時期ではありません。
大切なのは、年数だけではなく、
「今の歩き方を安全に支えられているか」
を確認することです。
医療保険と身体障害者手帳による制度の違い
装具を作製する際には、利用できる制度があります。
大きく分けると、
・医療保険による治療用装具
・身体障害者手帳による補装具費支給制度
があります。
簡単に整理すると以下のようになります。
| 医療保険(治療用装具) | 身体障害者手帳:補装具費支給制度 | |
| 目的 | 病気やけがの治療・機能回復が目的 | 日常生活や社会生活を支える目的 |
| 対象となる時期 | 治療やリハビリの過程で必要な場合 | 生活上装具が必要な場合 |
| 判断 | 医師が治療上必要と判断 | 身体状況を確認し制度利用を判断 |
| 相談先 | 主治医・理学療法士 | 市町村窓口・主治医・理学療法士・義肢装具士 |
どちらの制度を利用するかは、身体の状態や時期によって異なります。
「自分の場合はどの制度になるの?」
と迷われる場合は、専門家へ相談することが大切です。
※費用や申請の流れについては、次回詳しく解説します。
作り直しだけが答えではありません
装具が合わなくなったと感じると、
「新しい装具を作らないといけない」
と思われる方も少なくありません。
しかし、必ずしも作り直しが必要とは限りません。
装具の状態によっては、修理や調整で改善できる場合があります。
| 状態 | 対応例 |
| ベルトが痛んでいる | ベルト交換 |
| 足が当たって痛い | パット調整 |
| 装具の角度が合わない | 設定変更・調整 |
| 歩き方が変化した | 装具の再評価 |
| 身体の変化で合わない | 再作成を検討 |
大切なのは、
「古くなったから交換する」のではなく、「今の身体に必要な機能を持っているか確認すること」
です。
装具は定期的に確認しましょう
装具を何年も使用している方の中には、
「作ってから一度も確認していない」
という方も少なくありません。
身体や歩き方は少しずつ変化します。
その変化に合わせて装具を確認することで、
・転倒予防
・歩きやすさの改善
・関節への負担軽減
につながることがあります。
装具は、一度作ったら終わりではありません。
身体の変化に合わせて確認し、必要に応じて調整や修理、再作製を検討していくことが大切です。
装具を見直したいと思っても、
「作るにはどのくらい費用がかかるの?」
「利用できる制度を使うにはどうしたらいいの?」
と不安に感じる方も多いと思います。
次回は、
「装具を作るにはいくらかかる?医療保険・補装具制度と申請の流れ」
について、装具にかかる費用や手続きについて分かりやすく解説します。
ブログ著者

認定理学療法士認定証
脳卒中リハビリテーションセンター
山本 義隆
理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳卒中リハビリテーションセンターの山本です。
「もっと動けるようになりたい」「出来るようになりたい」そんなお困りや不安を感じられている方の手助けができるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリテーションを行っております。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なリハビリを提供し、「やってよかった」と感じていただけるよう取り組んでまいります。リハビリテーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
