開院当初は皮膚や乳房の再生医療を行っていましたが、知人が脳卒中で倒れたことをきっかけに、2012年、民間医療機関として初めて脳卒中再生医療を始めました。当時は札幌医科大学付属病院の脳梗塞再生医療の数例だけでした。
脳卒中再生医療という新しい治療方法を名づけ、脳卒中再生医療の先駆けとして様々な困難を克服し、独自の治療スタイルを構築していきました。
脳卒中再生医療をスタートした矢先、院長が脳梗塞で倒れました。退院後、クリニックの再開を目指し、院長は自らの骨髄幹細胞を培養して投与(脳卒中再生医療)を行いました。独自のリハビリを行い、発症から3ヶ月ほどで仕事に復帰しました。この出来事から脳卒中再生医療の重要性を実感し、以前にも増して力を入れて取り組むようになりました。
2014年、再生医療等安全性確保法の制定により、国の許可なく脳卒中再生医療が行えなくなりました。継続するには、厚生労働省が認める特定認定再生医療等委員会の審査が必要です。
委員会は2017年6月当時、全国に20箇所程度しかなく、そのほとんどが大学施設。法律制定当初、まわりからは大学レベルに匹敵することは無理だと言われ、あきらめかけたこともありましたが、患者様から「やめないで」というお言葉をいただき、委員会設立を決意しました。
当センターの脳卒中再生医療は、骨髄中の間葉系幹細胞(骨髄幹細胞)を使って、脳卒中で傷んだ神経や血管を修復・再生させ、改善を促す治療です。
患者さま自身の骨髄液から良質な間葉系幹細胞を作り、その量を数千万~数億個に増やし、再び体内に戻します。この治療をリハビリと並行することで、予想以上の効果が期待できます。
骨髄幹細胞は、骨の中にある血液(骨髄)に存在する細胞です。神経や血液の細胞に変化するため、「血管の再生」、「脳神経細胞の活性化と再生」、「弱った血管の修復による、脳卒中の再発予防」という効果が期待でき、脳卒中再生医療に適しています。
この細胞のすばらしさは、神経や血管など中胚葉由来の細胞になることがほとんどです。そしてこの特質を用い、脳卒中でダメージを受けた神経や血管を修復させることが注目されているのです。
骨髄幹細胞が傷んだ神経や血管を修復、再生するにはより多くの良質な細胞が必要です。そのため骨髄幹細胞の培養には、最新の設備と洗練された技術、徹底した品質管理が求められます。当センターで培養した細胞は、間葉系幹細胞であることを関西医科大学で証明することが出来ています。
最初のカウンセリングから治療、検診まで、約16ヶ月の全期間、院長が向き合い、寄り添い続けます。脳卒中再生医療は、治療とリハビリを並行することで、予想以上の効果が期待できるため、リハビリも重視しており、期間中の6回のリハビリ個別指導も院長が行います。
2014年の再生医療等安全性確保法制定により、脳卒中再生医療を行うには、厚生労働省への申請が必要になりました。この申請の前に、特定認定再生医療等委員会の審査が必須となります。そこで、脳卒中再生医療を継続するために、2016年、医療法人大雅会 特定認定再生医療等委員会を設立。大学病院等が大半の中、民間医療機関では2番目の認定となりました。(厚生労働省認定番号NA8150032)
再生医療で行う幹細胞の培養は、当センターの細胞培養室で行っています。培養室はGMP(WHO等の国際機関や各国の規制当局が策定している、医療品等の製造管理及び品質管理に関する基準)に則った国立病院や大学病院と同レベルの培養設備です。
経験豊富な専任培養士の技術と、徹底した衛生管理により、患者さまへのフルオーダーメイドの治療が実現しています。
洗練された技術をもつ培養士が、細心の注意を払いながら日々作業に取り組んでいます。細胞は生き物であり、患者さまの状態により増殖する数や増え方も多様です。細胞数だけではなく、細胞の質が良い状態であることを心がけています。
細胞培養室の安全性確保のために、定期的なバリテーション(品質管理や製造プロセスの妥当性を確認)や施設の温度・清潔度等の総合的な検査を実施します。特に衛生環境管理に関しては、再生医療などの先端医療分野においても専門のチームがある「アース環境サービス株式会社」に委託しており、品質保証の取り組み・製造環境の維持を徹底管理しています。
当センターでは、患者さまの骨髄液から品質の良い間葉系幹細胞を作り、その量をより多く増やせるよう常に追求しています。また、採血という患者さま負担を極限まで軽減できるよう、血液が必要でない無血清培地開発の共同研究を関西医科大学と進めています。
治療を希望された患者さまがスムーズに少しでも早く治療を受けられることで、より効果が高くなるよう様々な方法を模索するなど、患者さまへの最善の治療提供のために日々尽力しています。