2024.01.10
第13回 医療法人大雅会特定認定再生医療等委員会
委員会開催日時:令和5年12月9日(土)13時00分~14時00分
場所:Web会議(ZOOM於)
出席者名:
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氏名 |
性別 |
役職 |
〈委員〉 |
人見 浩史(委員長) |
男性 |
④ |
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西山 成 |
男性 |
① |
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荒岡 利和 |
男性 |
② |
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松山 隆生 |
男性 |
③ |
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木暮 直美 |
女性 |
⑤ |
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加藤 純子 |
女性 |
⑧ |
① 分子生物学、細胞生物学、遺伝学、臨床薬理学又は病理学の専門家
② 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
③ 臨床医(現に診療に従事している医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)
④ 細胞培養加工に関する識見を有する者
⑤ 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある(※)法律に関する専門家
⑥ 生命倫理に関する識見を有する者
⑦ 生物統計その他の臨床研究に関する識見を有する者
⑧ 第1号から前号以外の一般の立場の者
配布資料
資料1 第13回医療法人大雅会特定認定再生医療等委員会次第
資料2 再生医療を受けた患者数
資料3 神経変性再生医療及び脊髄再生医療を受けた患者の経過報告
ふくとみクリニックより2案件の再生医療等提供状況定期報告書を受理日 2023年11月2日
概要
1、開会の辞
人見委員長が挨拶を行い、委員会開催要件を満たしていることの確認を行い、開会の辞を述べた。
2、委員会出席者挨拶
出席された各委員が挨拶を行い、Web上の音声・通信状況を確認した。また、資料が共有できていることの確認も行われた。
3、ふくとみクリニック審査済み2案件の年次報告
2022年10月23日~2023年10月22日今年度分各症例数、
神経変性疾患再生医療2症例(計4件)
脊髄再生医療0症例
であった。すべての症例で治療後の副作用等は見受けられなかったと報告がふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より行われた。
4、神経変性再生医療及び脊髄再生医療を受けた患者の経過報告
年次報告期間内に神経変性再生医療及び脊髄再生医療を受けた後に検診(3ヶ月後または6ヵ月後または1年後)をした患者の経過報告がふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より行われた。
1)荒岡委員より「第11回の委員会で再生医療により癌が悪化する可能性が否定できないとの話があったが、今回の2例目の患者に新たに癌が見つかることはなかったのか。経過観察はしているのか。」との質問があった。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より、「この患者は癌治療から5年経過してから再生医療を行っており、かつその後の再発等はない。患者にはかかりつけ医に定期的に受診することや治療開始前に癌に対しての悪化する可能性について説明している。」と回答があった。
2)木暮委員より「患者に直接検査しに行くよう伝えているのか。先方に連絡をしてやり取りをしているのか。」との質問があった。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より「病院から年に一度定期的に受診するよう言われており、紹介状でのやり取りは行っている。」と回答があった。
3)人見委員長より「脳卒中の治療がメインでそれと比べると脊損や変性疾患の数がかなり少ないが受診が少ないのか数自体が少ないのか。また、どのくらいの数を想定していたのか。」との質問があった。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より「圧倒的に脳卒中再生医療の方が多数。委員会で許可を得た際に話した内容通り脊損に関しては、札幌医科大で行っている保険適応の治療は対象が限られており、時期が過ぎてしまった対象外の患者の要望を受け入れる為に行っているが、周知されていない印象。変性疾患に関しては、全員に治療した方が良いとは伝えておらず、治療効果の事実を説明して理解してもらった上で、他に治療がなく少しでも希望があればという患者にのみ行っている。変性疾患に関しては、当初から少ない数を想定していた。」と回答があった。
4)人見委員長より「年間に対応できるキャパシティーはどのくらいか。現状どのぐらい行っているのか。」との質問があった。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より「キャパシティーは無理をすれば年間は50例可能だが、投与に1~2時間、検診に1~2時間かかり、それと相談が入ってくるため月3~4例が現実可能なキャパシティーである。今年はおおよそ35~36例程行っている。」との回答があった。人見委員長より「キャパシティー的に断ることはあるのか。」との質問あり。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より、「断ることはなく、治療できるまで少しお待ちいただくことはある。」と回答があった。
5)ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より「この治療を行うにあたり癌の患者が増えてきている。近日で甲状腺癌の治療を2年前に行い、担当医から問題なしと言われている患者からの問い合わせがあったが、どのような対応すべきか。」意見を求めた。西山委員より「ガイドラインに従うしかないが最終的に医師の判断で行うことになる。癌を発症してからの脳卒中の死亡数が多く、学会領域ではこれからは癌ありきの患者への治療が増えてくるためそれに合わせた治療をしていくことを考える必要がある。」と発言があった。荒岡委員より「初めに可能性に関して説明し、フォローアップをどれだけ行っていくかが重要になる。患者も病院も守っていくシステムが必要と考える。」と発言あり。松山委員より「あきらかなエビデンスがなく、癌の種類にもよるため、どのように対応していくか難しい。担癌の患者や悪性度の高い癌に対してはどうしていくか考える必要があり、患者自身にしっかりと理解をしてもらう説明が重要と考える。」と発言あり。木暮委員より「担癌とはどういった状態のことか。」との質問があった。松山委員より「癌が目に見えない状態で体内に存在している可能性があること。」と回答があった。ふくとみクリニック(管理者 福富康夫)より「再生医療で癌自体が悪くなったり良くなったりしたエビデンスはない。希望する患者に対してメリットデメリットを説明し、理解してもらった上で最終的に患者自身の意志判断に委ねる。また、委員会や専門家にその都度相談していく。」と発言があった。
6)西山委員より再生医療の分野で情報共有することがあれば教えてほしいと提案があった。西山先生の提案の元、再生医療の分野で新たな情報共有を行う話し合いがもたれた。これに加え加藤委員より「専門的な医療の話は理解が難しいが、患者の立場を考えると丁寧に説明してもらい、全て理解できるよう教えてもらえれば、患者自身で判断して進んでいくことができると思う。」と発言があった。人見委員長より、これをもって委員会における勉強会とするとの発言があった。
5、人見委員長より全委員一致の意見として、「ふくとみクリニックにおける神経変性再生医療及において、悪性腫瘍の既往がある患者に関してはインフォームドコンセントをしっかり行い慎重に投与を行うことが大切であり、かかりつけ病院との連携をとるようにしていくべきである。また安全性は担保されており結果も良好である。この結果をもって、今後もより安全に多くの方に治療を続けることが望ましい。」及び
「ふくとみクリニックにおける脊髄再生医療は本治療を受けた患者数0名の為、該当なし。」との発言があった。
6,閉会の辞
人見委員長より閉会の辞を述べた。