2019.07.08
第五回 医療法人大雅会特定認定再生医療等委員会
委員会開催日時:令和元年6月8日(土)15時00分から17時00分
場所:ガーデンシティクラブ大阪 スバル 於
委員長 西山 成
副委員長 人見 浩史
委員 伊東 信久、岡田 邦彦、木暮 直美、片山 徹也
田川 雅彦、土屋 貴志、富尾 貴美代、中澤 弘幸
福富 康夫
欠席:大橋 靖雄、川真田 伸、橋本 尚子、松山 隆生
配付資料
資料1 第5回医療法人大雅会特定認定再生医療等委員会次第
資料2 第5回医療法人大雅会特定認定再生医療等委員会出席者名簿
資料3 再生医療を受けた患者数
資料4-1 脳卒中再生医療結果報告(平成30年5月~平成31年5月)
資料4-2 脳卒中再生医療の疾患、年齢、男女比
資料5 世界の筋萎縮性側索硬化症に対する再生医療の情報
参考資料
資料1 QOLスコアシート
資料2 小児低酸素脳症患者等の陳情書
概要
1、委員長挨拶
西山委員長が挨拶を行い、開会の辞を述べた。
2、脳卒中再生医療の対象疾患の拡大に関する審議
- 西山委員長より、委員会の流れを考え次第の順番を変更し、前回の継続審議であった脳卒中治療の対象拡大について審議していくと説明があった。ふくとみクリニック院長より、配付資料についてと現在の国外での治験等の現状説明および国内ではすでに脂肪幹細胞によるALS,アルツハイマー、慢性疼痛に対する治療が申請済みであるとの説明があった。この資料をもって継続審議していた脳卒中治療の対象を脳変性症へ適応拡大していきたいと要望があった。
- 岡田委員より、配付された資料の情報の正確性について質問があった。西山委員長より、配付された資料の情報はコンプリートと表記されているものは少なくとも各国で認可されている可能性が高いと考えられると回答があった。
- 西山委員長より、各国での認可の流れは実際どうなのか伊東委員へ質問があった。伊東委員より、再生医療の歴史について説明があった。
- 土屋委員より、今ある情報からは安全性に関しての記載しかないとの指摘があり、倫理の観点からいうと実験的治療になるのではと質問があった。西山委員長より、各国での認可等の流れは日本と違う可能性はあり、日本が比較的再生医療に関して規制緩和されているので他の国以上に進んでおり、配付資料以外にも国内では治験の事実があると回答があった。
- 伊東委員より、変性疾患での実際の効果の報告や安全性はあるのかと質問があった。西山委員長より、基礎研究や動物実験上治療効果があり、治験へと世界中がすすめていると回答があった。岡田委員より、安全管理はどのように対応するのか質問があった。ふくとみクリニック院長より、治療方法は現在行っている方法と変わりなく行っていくため、安全性に関しても同じ対応を行っていくと説明があった。
- 土屋委員より、ALS等進行性の疾患に対して治療効果の評価やどのように効いていくのかと質問があった。人見副委員長より、再生医療の分野からは薬理とは違い、効果が出ているから治療を行うといったことが多く、なぜ効果があるのかといった理論は後からという流れとなっていて評価は難しいと回答があった。
- 片上委員より、変性疾患はどこまでの範囲が対象となるのか変性症ではパーキンソンが多いかと思うが対象に入るのか質問があった。ふくとみクリニック院長より、要望が多いのはALSであり、効果としては進行をとめることであると回答があった。変性疾患等としているので、パーキンソンやアルツハイマーといった疾患等は実際に診察を行った上で医師の判断としておくほうがコンプライアンスがよいとの回答があった。
- ふくとみクリニック院長より、変性疾患等という対象にしたいが疾患をはっきりと定めたほうがよいか委員会に審議を求めた。片上委員より、現状治療法がない疾患に対して行うことはいいと考えると回答があった。伊東委員より、変性疾患の診断名を確定することは難しいことが多いので変性疾患という枠組みで行うことはよいと考えると回答があった。土屋委員より、ふくとみクリニック院長の人柄であれば無理なことは行わないとわかっているが、外部からみてきちっと行っているということも大事なのではないかとの回答があった。木暮委員より、ふくとみクリニック院長が想定されているALS、パーキンソン、アルツハイマーの3つにしてもいいのではと回答があった。中澤委員より、わざわざこの会議が必要であるのはものを絞るよりも大きな枠で認可をとるべきで、委員会は性悪説よりも性善説であるべきだと思う。大きな枠でやっていかないと初めから小さな枠で行うと新しいものが見つからないのではと考えると回答があった。さらに専門家の議論は論議であって、人間は情緒がある。安全は論議であり、安心は情緒であるため同じ土壌で議論ができるはずもないものが論議しているのでもう少し踏み込んだことをしていくべきであると回答があった。冨尾委員より患者の観点からは広い範囲にしてもらうことがよいと考えると回答があった。田川委員より、可能であるならば広い範囲にすることでいろんな進歩の可能性が出てくるのではないかと考えると回答があった。人見副委員長より、適用疾患を広めるのは認めると回答があった。
- 土屋委員より、申請する際に、変性疾患とするも詳細はどこかに記載したほうがいいのではないかと提案があった。西山委員長より、脳変性症に広げても良い。ただ、安全性も含め厚労省に提出する書類には、疾患名等を明記するべきだとの意見があった。
- 西山委員長より、審議の結果、適用疾患の拡大を認め、「適用疾患を脳卒中患者全般及び脳変性症(ALS,パーキンソン、アルツハイマー等)に変更を適切と認める」となった。
3、ふくとみクリニック審査済みの4案件の年次報告
2018年5月6日~2019年5月5日今年度分各症例数、
脳卒中再生医療(自家骨髄幹細胞療法) 13症例
皮フ再生医療(自家線維芽細胞療法) 1症例
バスト再生医療(自家脂肪幹細胞療法) 1症例
がん免疫細胞療法(自家CAT細胞療法) 0症例
であった。治療後の経過は概ね良好であり、重大な副作用等は見受けられなかったと報告がふくとみ クリニック・福富康夫より行われた。
4、再生医療治療に対しての治療対象及び対象年齢の拡大に関する陳情書の報告
ふくとみクリニック院長より、現在適用外である小児低酸素脳症患者等の陳情書の報告があった。
委員の多くの意見は、小児に対する安全性が十分確保できていないことが問題であり、残念ながら現時点では時期尚早であるとの意見が出された。
5、その他
木暮委員より、次回から報告事項に関しても予め委員会までに次第と送付できる資料等は郵送またはメールをしてほしいと要望があった。
6、閉会の辞
西山委員長より閉会の辞があった。