2014.06.07
ふくとみクリニック院長の福富です。
前回に引き続き、A.Iさんの治療経過についてお話ししたいと思います。
ふくとみクリニックで脳卒中再生医療をされて、大変満足され更にという事で2回目の脳卒中再生医療を行いに当院に来られました。
2回目の骨髄穿刺を行って、骨髄幹細胞を取り出し、培養を行いました。
そしてさらに3回の骨髄幹細胞の静脈投与(点滴治療)を行ったのです。
前回の3回の骨髄幹細胞投与と合わせて、合計6回の骨髄幹細胞を投与したことになります。
そして、計6回で投与した骨髄幹細胞の総数は4億5000万個に及びました。
この結果、驚くべきことに元々動かなかった右肩と曲げることができなかった足の右膝が動くようになりました。
実際、患者様がベッドで寝て点滴を受けている間に、僕に「足が動くんです!足が動くんです!」と言って、ベッドで寝たまま右ひざをあげて見せていただきました。
このことが「どう凄いか?」というと、脳卒中を起こされた患者さんは膝が曲がらないために、歩く時に足を外に回して歩かなければなりません。
これが膝を曲げることができるようになれば、足を外に回さずに膝をあげて足をまっすぐ前に動かして歩くことができるのです。
これは非常に画期的なことなのです。
「このように歩けるんです。」といって患者様は大変喜ばれています。
このことの凄さは片麻痺になられた方であれば十分わかっていただけると思います。
もう一つの効果は、膝を曲げることができるようになったことに加えて、以前と比べて言葉がスムーズに出てくるようになりました。
このことで象徴的なことが、治療中は患者様と付添いの奥様、そして僕と看護師がいるのですが、どんどんお話をされている間に笑いが起こるようになってきたのです。
最初に患者様が来られた時は、正直暗い顔をされていましたが、それがどんどん明るい表情になって、笑い話をして部屋中が笑いで包まれるようになってきました。
このことで、この治療結果は素晴らしいという事を
僕は実感しました。
患者さん本人は体が動くようになったり、言葉がスムーズに出てくるようになったりしたことでこの治療の効果を十分実感されていると思いますが、それともう一つ重要な効果があります。
それは付き添って治療に来られる奥様が、感慨ひとしおだったということです。
脳卒中という病気は、病気になられた患者様の苦労や悩みは当然のことですが、一緒にいるご家族の方の必死な願いや苦労もあると思います。
しかしこの治療を行って報われたという事はご家族の為にも素晴らしい治療だという事が言えるのです。
そして、僕がこの患者様に伝えたいことがあります。
この治療で終わりだという事はありません。
この治療を行って、さらにリハビリを頑張り、ご自身の心を鼓舞してもっと症状改善していただき、更に前向きに人生を送っていただきたいという事なのです。