脳卒中(脳梗塞・脳出血)後遺症とは
脳梗塞・脳出血の後遺症は、改善をあきらめる必要はありません
「脳梗塞・脳出血を起こしてから、手足の麻痺やことばの障害が残ってしまった」「リハビリを続けても、以前のようには戻らない」――そうしたお悩みを抱えて、このページにたどり着かれた方も多いのではないでしょうか。
結論
脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症は、発症から時間が経った慢性期であっても、改善の可能性があります。
かつては「死んでしまった脳の神経細胞は元に戻らない」とされてきましたが、近年は再生医療という新しい選択肢が登場し、これまで難しいとされてきた後遺症の改善に取り組めるようになってきました。 このページでは、まず脳梗塞・脳出血それぞれの後遺症について正しく理解していただいたうえで、リハビリでできること・その限界、そして再生医療という選択肢までを順にご説明します。
「脳卒中(脳梗塞・脳出血)」とは
「脳卒中(脳梗塞・脳出血等)」と、
その後遺症を正しく理解することが大切です
卒中という言葉の由来をご存知でしょうか?「卒中」は古い言葉で、突然意識を失って(=卒)倒れ(=中)、昏睡状態となるような発作全般のことをさします。その原因は大きく分けて2つ。1つは脳の血管の詰まりによるもの、もう1つは脳の出血とそれによる損傷です。
脳卒中の種類
脳卒中は「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」に分けられます
脳卒中の症状は大きく分けて、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の細い血管が裂けて脳の組織の中に血腫(出血の固まり)をつくる「脳出血」、さらに脳の太い血管にできた脳動脈瘤が裂けて脳の表面に出血する「くも膜下出血」の3種類に分類されます。
血管が詰まるタイプ
- 一過性脳虚血発作
- 一時的に脳の血管がつまりますが、すぐに血流が再開します。脳梗塞の前ぶれとして現れることがあります。
- 脳梗塞
- 脳の血管が詰まったり狭くなったりして血流が悪くなります。また脳梗塞には以下のタイプがあります。
ラクナ梗塞
脳の比較的細い血管が狭くなり、その血管が詰まって比較的小さな梗塞を起こします。
アテローム血栓性脳梗塞
脳の比較的太い血管が動脈硬化によって狭くなり、さらに血のかたまりによって少しずつつまります。
心原性脳塞栓症
脳の血管に、心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぎます。
血管が破れる
脳出血
脳の中の細かい血管が破れて出血します。
くも膜下出血
脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れてくも膜の下に出血します。
脳卒中は脳血管障害に分類されます
医学的に脳卒中は、「脳血管障害」に分類されます。
「脳血管障害」は、突発的な発作が起こらないもの(無症状性脳血管障害)も含んでいるため、厳密にいうと、脳卒中と脳血管障害はイコールではありません。ただし、当院では無症状脳血管障害の患者さまは非常に少ないため、脳卒中と血管障害は同一と考え、以下の説明を行います。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)の主な後遺症
脳卒中の後遺症は、脳のどの部位がダメージを受けたかによって異なります。 ここでは、ご本人やご家族が日常生活で気づきやすい代表的な後遺症を、症状ごとにご説明します。
運動麻痺(片麻痺)
最も多くみられる症状です。体の片側の手足が動かしにくくなり、歩行や物をつかむ動作が難しくなります。脳の損傷部位と反対側の手足に症状が出るのが特徴です。
感覚障害(しびれ・痛み)
手足のしびれ、触られた感覚が分かりにくい、逆に痛みを過剰に感じるなど、感覚に異常が出ます。見た目に分かりにくく周囲に理解されにくい後遺症です。
言語障害(失語症・構音障害)
ことばが出てこない、相手の話が理解しにくい(失語症)、ろれつが回りにくい(構音障害)といった症状です。コミュニケーションに直結します。
同名半盲
両眼の同じ側(左右どちらか半分)が見えなくなる後遺症。他人がみてもわかりませんが本人は右か左かどちらか片側が見えないため生活に困ります
高次脳機能障害
記憶力・注意力・判断力の低下、感情のコントロールが難しくなるなど、外見からは分かりにくい後遺症です。
嚥下障害(飲み込みにくさ)
食べ物や飲み物を飲み込みにくくなる症状です。誤嚥による肺炎のリスクもあり注意が必要です。
排泄障害
排尿・排便のコントロールが難しくなる症状です。ご本人の尊厳やご家族の介護負担に関わります。
いずれの症状も、当センターの再生医療×リハビリで改善を目指せる可能性があります
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脳卒中(脳梗塞・脳出血)が実際に起こると?
脳虚血が続くと細胞は死んでしまいます
脳に血管障害が起こると、その先の脳細胞に酸素や糖などのエネルギーを送っている血液が充分に行き渡らなくなってしまいます。これらのエネルギーなしに脳は活動できないため、血管障害が起こると脳は活動を止めてしまうのです。このようにエネルギー不足により脳が休んでいる状態を「脳虚血」といいます。この脳虚血状態がある程度つづくと、脳細胞は休むだけでなく最終的に死んでしまいます。
3~6時間が勝負の脳虚血は対応が難しいとされてきた
問題のある血管を見つけ再開通させれば、脳が活動を再開できることがあります。一般的に症状が出てから3~6時間以内が脳虚血の状態であるといわれ、それ以上の時間が経過すると脳の神経細胞が死んでしまいます。一度死んでしまった神経細胞は復活しないため、今までは脳卒中の症状を改善するのは難しいと考えられてきました。
脳卒中(脳血管疾患)は、寝たきり(要介護状態)になる原因の第2位
脳卒中(脳血管疾患)は、日本において要介護状態となる原因の第2位(16.1%)を占めています(厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査の概況」より)。第1位の認知症(16.6%)とほぼ並ぶ割合であり、骨折・転倒(13.9%)や高齢による衰弱(13.2%)を上回ります。
また、死亡原因としても脳卒中(脳血管疾患)は全体の第4位(6.4%/約10.3万人)にのぼります(厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」2024年より)。「命は取り留めたものの、後遺症が残った」というケースが非常に多く、脳卒中は”生命を脅かす病気”であると同時に、”その後の生活の質を大きく損なう病気”でもあります。

- 再発を繰り返すうち、症状が重くなっていく「脳卒中(脳梗塞・脳出血)」
-
特に脳卒中の中でも脳梗塞は、最初の発症時は軽症であっても、再発を繰り返すたびに後遺症が積み重なっていく病気です。一旦脳梗塞を起こした場合、ほぼ完治する方は約20%にとどまり、73%の方は何らかの後遺症が残り、7%の方は死亡に至ると報告されています。
後遺症は麻痺・言語障害・嚥下障害など多岐にわたり、ご本人の生活の質を低下させるだけでなく、ご家族の介護負担にも直結します。だからこそ、発症後できる限り早期に適切な治療を行い、リハビリへつなげ、さらに再発予防を行うことが重要です。
脳の部位ごとに現れる後遺症は異なります
最悪の場合は生命に関わることもありますが、血流が止まってしまった箇所が脳のどの部位なのかによって、現れる後遺症は異なります。下のイラストの各部位をクリックすると、その部位の損傷で起こりやすい後遺症の詳細をご覧いただけます。
※ここでご紹介するのは各部位の損傷で起こりやすい代表的な症状です。症状の有無や程度には個人差があります。
前頭葉思考・判断・感情・運動の指令などを行う「脳の司令塔」
- 性格の変化(感情のコントロールが難しくなる)
- 意欲の低下、やる気が出ない
- 注意力や集中力の低下
- 計画を立てたり、行動を順序立てるのが苦手になる
- 手足の麻痺(運動野が損傷した場合)
- 言葉がうまく話せない(運動性失語)
頭頂葉感覚をまとめたり、空間や位置を認識する
- 片側の空間(左や右)にあるものに気づかない(半側空間無視)
- 着替えや道具の使用など動作がうまくできない(失行)
- 感覚の異常(しびれ・痛みなど)
側頭葉記憶の保存・聴覚・言語の理解などを担当
- 新しいことを覚えられない(記憶障害)
- 聞いたことを記憶しにくい
- 言葉の意味が理解できない(感覚性失語)
- てんかん発作が起こりやすくなる
後頭葉目からの情報(視覚)を処理する
- 視野が欠ける(視野障害)
- 物は見えているのに何かわからない(視覚認知障害)
- 物がゆがんで見える
視床感覚の中継地点
- 体のしびれや違和感が強い
- 感覚が鈍くなる
- 慢性的な痛み(視床痛)
基底核スムーズな運動を調整する
- 手足が震える(振戦)
- 勝手に体が動いてしまう(不随意運動)
- 動きが遅くなる(パーキンソン症状)
小脳バランスや運動の調整を行う
- ふらつき、めまい
- 歩きにく、転びやすい
- 体の動きがぎこちない(運動失調障害)
海馬新しい記憶をつくる
- 新しいことを覚えられない
- 記憶が抜け落ちる
- 同じことを何度も聞いてしまう
脳幹呼吸・心拍・意識など、生命を維持する重要な機能
- 飲み込みにくい(嚥下障害)
- 四肢の麻痺
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が不安定になる
左右の脳の違いによる後遺症の特徴
左脳が損傷した場合(右片麻痺)
(言葉をつかさどることが多い)
- 言葉がうまく話せない(失語症)
- 言葉の理解が難しい
- 計算ができなくなる(計算障害)
- 文字が書けなくなる(失書)

右脳が損傷した場合(左片麻痺)
(空間認識や感情をつかさどる)
- 片側の空間に気づかない(半側空間無視)
- 注意力が低下する
- 感情や相手の気持ちを読み取るのが苦手
- 着替えや身だしなみがうまくできないことがある
同じ部位の損傷でも、症状の程度や内容は人によって異なります。
早期のリハビリや適切な支援が、回復や生活の質の向上につながります。
| 損傷部位 | 損傷により引き起こされる障害 |
|---|---|
| 前大脳動脈 | 下肢の運動麻痺、無動性無言症(意識はあるが、自発性がなく、魂が抜けたかのようにボーっとしている状態) |
| 中大脳動脈 | 顔面・上肢に強い運動麻痺、左側の場合は失語症(言葉を話すことや言葉の理解ができなくなる状態) |
| 後大脳動脈 |
反対側の同名半盲(両目の半分が見えなくなる)、反対側の感覚性麻痺。 脳底動脈閉塞のレベルによって症状が異なります。 1) 全盲、重度記憶障害、失読(文字を読むことが困難になる 2) 同側顔面の麻痺と反対側四肢麻痺、眼球運動麻痺、舌麻痺 3) 閉じ込め症候群(四肢麻痺・無言により、意思の疎通が瞬きと眼球運動でしかできない状態) |
| 椎骨動脈 | 小脳性失調(体のバランスがとりにくくなる、ふらつきによる夜行困難、呂律がまわらない、嘔気・嘔吐)、同側顔面と対側半身の感覚障害。 |
| 眼動脈 | 失明、一時的な眼動脈の閉塞で片目が突然見えなくなり、しばらくしてゆっくりと改善することもあります。 これは、専門用語で”一過性黒内障”といい、重症の脳梗塞の前兆です。 |
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血 それぞれの後遺症
脳梗塞の後遺症

脳の血管が詰まって血流が途絶え、その先の神経細胞がダメージを受ける病気です。脳梗塞の後遺症で特に注意したいのは、再発を繰り返すたびに後遺症が積み重なっていくという点です。
一度脳梗塞を起こすと、完全に回復する方は約20%にとどまり、多くの方に麻痺・言語障害・感覚障害などの後遺症が残ると報告されています。
当センターでは、脳梗塞の後遺症改善を目指す再生医療に加え、血管を健やかに保ち再発リスクを抑えるアプローチにも取り組んでいます。
脳出血の後遺症

脳内の血管が破れて出血し、あふれた血液(血腫)が周囲の神経細胞を圧迫・損傷することで起こります。出血した部位と範囲によって症状の重さが大きく変わるのが特徴です。
被殻や視床といった部位の出血では片麻痺や感覚障害が、脳幹部の出血では重い意識障害や全身の麻痺が生じることがあります。
脳出血の後遺症も、適切なリハビリと新しい治療の選択肢によって、改善を目指せる可能性があります。発症から年数が経っている場合でも、まずは現在の状態を医学的に評価することが第一歩です。
クモ膜下出血の後遺症

くも膜下出血は、脳の表面を走る太い血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破れ、脳を覆うくも膜の下に出血する病気です。一命を取り留めた後も、高次脳機能障害(記憶・注意の障害)、同名半盲や運動麻痺、などの後遺症が残ることがあります。
当センターではくも膜下出血の後遺症についてもご相談を承っています。
リハビリで後遺症は改善できるのか
リハビリは、後遺症の改善に欠かせない基本です
脳卒中後の後遺症に対しては、リハビリテーションが基本となります。脳には、損傷を受けていない部分が失われた機能を補おうとする「可塑性(かそせい)」という性質があり、適切なリハビリを続けることで、機能の回復が期待できます。発症からの早い時期はもちろん、年数が経った後でも、ご自身の状態に合ったリハビリに取り組むことには大きな意味があります。

保険のリハビリには「期間の壁」があります
一方で、医療保険や介護保険が適用されるリハビリには、発症からの日数に応じた期間の上限や、回数・時間の制約があります。回復期を過ぎると、「まだ改善したいのに、十分なリハビリを受けられない」という状況に直面される方が少なくありません。こうした方は「脳卒中難民」とも呼ばれ、リハビリを続けたくても続けられる場所が少ないことが、長年の課題となってきました。

だからこそ、当センターは
専門リハビリの場を併設しています
当院の院長・福富自身も、脳梗塞を経験し、退院後にリハビリを続けられる場の少なさを身をもって実感しました。その想いから、脳卒中再生医療センターと同じ施設内に「脳卒中リハビリテーションセンター」を併設。医師・脳卒中認定理学療法士・看護師によるチーム医療のもと、保険の枠にとらわれない、お一人おひとりに合わせたフルオーダーメイドの専門リハビリを提供しています。AIによる姿勢・歩行解析で改善の方向性を「見える化」できることも特長です。

新たな選択肢としての再生医療
「神経細胞は再生しない」という常識は変わりました
長らく、「一度死んでしまった脳の神経細胞は元に戻らない」と考えられてきました。しかし、患者様ご自身の幹細胞を用いる再生医療によって、傷ついた神経や血管の修復・再生を目指すことができるようになってきています。再生医療は、これまでのリハビリに限界を感じておられた方や、発症から年数が経過した慢性期の方にとっても、新たな可能性を開く選択肢です。
脳卒中再生医療センターが選ばれる理由
日本初・パイオニア
2012年〜、日本で初めて民間医療機関として脳卒中の再生医療に取り組んだパイオニア。
院長自身が脳梗塞経験者
患者様・ご家族のお気持ちに寄り添った診療を大切にしています。
院内CPC(細胞培養室)
国際基準(GMP)に準拠した細胞培養室をセンター内に設置。ご自身の細胞を最良の状態で投与。
大学・研究機関と連携
大阪医療大学内に立地し、科学的根拠のある治療を提供。リハビリ施設を併設しています。
後遺症が改善した実際の症例
発症から年数が経っていても、改善を目指せます
ここでは、実際に当センターで治療を受け、後遺症の改善がみられた患者様の事例の一部をご紹介します。「もう良くならない」とあきらめていた方が、再生医療とリハビリによって前進された例は少なくありません。
後遺症・リハビリに関する よくあるご質問
発症から年数が経っていても、改善を目指せます
脳梗塞・脳出血の後遺症は、発症から何年経っていても改善できますか?
発症から年数が経った慢性期であっても、改善の可能性があります。当センターでは発症から十年以上が経過してから治療を開始し、後遺症の改善がみられた方もいらっしゃいます。まずは現在の状態を医学的に評価することが第一歩です。
リハビリを続けても良くなりません。ほかに方法はありますか?
保険でのリハビリには期間の上限があり、「まだ改善したいのに受けられなくなった」という方も少なくありません。こうした場合の新たな選択肢として、患者様ご自身の幹細胞を用いる再生医療があります。リハビリとの併用により相乗効果も期待できます。
後遺症の麻痺やしびれは、再生医療で改善しますか?
麻痺・感覚障害(しびれ)・言語障害・嚥下障害など、脳卒中による様々な後遺症に対して改善が期待できます。ただし症状や状態によって異なりますので、まずはご相談ください。
本人が動けないのですが、家族だけで相談できますか?
はい。ご家族様だけでのご相談・ご来院を承っています。患者様の状況やMRI・CTの画像をお持ちいただければ、より具体的にご説明できます。遠方の方にはオンラインでのご相談も可能です。
ご本人が来院できなくても、ご家族だけでご相談いただけます
「本人があまり動けない」「遠方で通院が難しい」という場合も、まずはご家族だけでのご相談や、オンラインでのご相談を承っています。これまでの治療内容が分かる資料やMRI・CTの画像をお持ちいただければ、より具体的にご説明できます。発症からの年数や後遺症の程度にかかわらず、「自分の場合はどうだろう」と思われたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
脳卒中の後遺症は、症状も、発症からの年数も、お一人おひとり異なります。だからこそ、まずは現在の状態をお聞かせください。
ご本人の方へ
「もう一度、自分の力で」を一緒に目指しましょう。発症から時間が経っていてもご相談ください。
配偶者の方へ
ご本人が動けなくても、まずはご家族だけでのご相談が可能です。回復は介護のご負担軽減にもつながります。
お子様(ご家族)の方へ
「親のために選択肢を知っておきたい」というご相談を多くいただいています。科学的根拠や治療実績についてもご説明します。
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