
結論
脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症は、発症から時間が経った慢性期であっても、改善の可能性があります。かつては「死んでしまった脳の神経細胞は元に戻らない」とされてきましたが、近年は再生医療という新しい選択肢が登場し、これまで難しいとされてきた後遺症の改善に取り組めるようになってきました。 このページでは、まず脳梗塞・脳出血それぞれの後遺症について正しく理解していただいたうえで、リハビリでできること・その限界、そして再生医療という選択肢までを順にご説明します。


脳の比較的細い血管が狭くなり、その血管が詰まって比較的小さな梗塞を起こします。
脳の比較的太い血管が動脈硬化によって狭くなり、さらに血のかたまりによって少しずつつまります。
脳の血管に、心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぎます。
脳の中の細かい血管が破れて出血します。
脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れてくも膜の下に出血します。
最も多くみられる症状です。体の片側の手足が動かしにくくなり、歩行や物をつかむ動作が難しくなります。脳の損傷部位と反対側の手足に症状が出るのが特徴です。
手足のしびれ、触られた感覚が分かりにくい、逆に痛みを過剰に感じるなど、感覚に異常が出ます。見た目に分かりにくく周囲に理解されにくい後遺症です。
ことばが出てこない、相手の話が理解しにくい(失語症)、ろれつが回りにくい(構音障害)といった症状です。コミュニケーションに直結します。
両眼の同じ側(左右どちらか半分)が見えなくなる後遺症。他人がみてもわかりませんが本人は右か左かどちらか片側が見えないため生活に困ります
記憶力・注意力・判断力の低下、感情のコントロールが難しくなるなど、外見からは分かりにくい後遺症です。
食べ物や飲み物を飲み込みにくくなる症状です。誤嚥による肺炎のリスクもあり注意が必要です。
排尿・排便のコントロールが難しくなる症状です。ご本人の尊厳やご家族の介護負担に関わります。
いずれの症状も、当センターの再生医療×リハビリで改善を目指せる可能性があります
問題のある血管を見つけ再開通させれば、脳が活動を再開できることがあります。一般的に症状が出てから3~6時間以内が脳虚血の状態であるといわれ、それ以上の時間が経過すると脳の神経細胞が死んでしまいます。一度死んでしまった神経細胞は復活しないため、今までは脳卒中の症状を改善するのは難しいと考えられてきました。


最悪の場合は生命に関わることもありますが、血流が止まってしまった箇所が脳のどの部位なのかによって、現れる後遺症は異なります。下のイラストの各部位をクリックすると、その部位の損傷で起こりやすい後遺症の詳細をご覧いただけます。
※ここでご紹介するのは各部位の損傷で起こりやすい代表的な症状です。症状の有無や程度には個人差があります。
左脳が損傷した場合(右片麻痺)
(言葉をつかさどることが多い)

右脳が損傷した場合(左片麻痺)
(空間認識や感情をつかさどる)
| 損傷部位 | 損傷により引き起こされる障害 |
|---|---|
| 前大脳動脈 | 下肢の運動麻痺、無動性無言症(意識はあるが、自発性がなく、魂が抜けたかのようにボーっとしている状態) |
| 中大脳動脈 | 顔面・上肢に強い運動麻痺、左側の場合は失語症(言葉を話すことや言葉の理解ができなくなる状態) |
| 後大脳動脈 | 反対側の同名半盲(両目の半分が見えなくなる)、反対側の感覚性麻痺。 脳底動脈閉塞のレベルによって症状が異なります。 1) 全盲、重度記憶障害、失読(文字を読むことが困難になる 2) 同側顔面の麻痺と反対側四肢麻痺、眼球運動麻痺、舌麻痺 3) 閉じ込め症候群(四肢麻痺・無言により、意思の疎通が瞬きと眼球運動でしかできない状態) |
| 椎骨動脈 | 小脳性失調(体のバランスがとりにくくなる、ふらつきによる夜行困難、呂律がまわらない、嘔気・嘔吐)、同側顔面と対側半身の感覚障害。 |
| 眼動脈 | 失明、一時的な眼動脈の閉塞で片目が突然見えなくなり、しばらくしてゆっくりと改善することもあります。 これは、専門用語で”一過性黒内障”といい、重症の脳梗塞の前兆です。 |

脳の血管が詰まって血流が途絶え、その先の神経細胞がダメージを受ける病気です。脳梗塞の後遺症で特に注意したいのは、再発を繰り返すたびに後遺症が積み重なっていくという点です。
一度脳梗塞を起こすと、完全に回復する方は約20%にとどまり、多くの方に麻痺・言語障害・感覚障害などの後遺症が残ると報告されています。
脳梗塞の後遺症にどのような症状があり、梗塞のタイプによって現れ方がどう違うのかについては〈脳梗塞の後遺症とは〉で、発症から6ヶ月を過ぎた方の回復の見込みについては〈脳梗塞の後遺症は治るのか〉で、それぞれ詳しく解説しています。また、手足に残るしびれの種類や向き合い方については〈脳梗塞のしびれとは〉で解説しています。
当センターでは、脳梗塞の後遺症改善を目指す再生医療に加え、血管を健やかに保ち再発リスクを抑えるアプローチにも取り組んでいます。

脳内の血管が破れて出血し、あふれた血液(血腫)が周囲の神経細胞を圧迫・損傷することで起こります。出血した部位と範囲によって症状の重さが大きく変わるのが特徴です。
被殻や視床といった部位の出血では片麻痺や感覚障害が、脳幹部の出血では重い意識障害や全身の麻痺が生じることがあります。
脳出血の後遺症も、適切なリハビリと新しい治療の選択肢によって、改善を目指せる可能性があります。発症から年数が経っている場合でも、まずは現在の状態を医学的に評価することが第一歩です。

くも膜下出血は、脳の表面を走る太い血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破れ、脳を覆うくも膜の下に出血する病気です。一命を取り留めた後も、高次脳機能障害(記憶・注意の障害)、同名半盲や運動麻痺、などの後遺症が残ることがあります。
当センターではくも膜下出血の後遺症についてもご相談を承っています。
脳卒中後の後遺症に対しては、リハビリテーションが基本となります。脳には、損傷を受けていない部分が失われた機能を補おうとする「可塑性(かそせい)」という性質があり、適切なリハビリを続けることで、機能の回復が期待できます。発症からの早い時期はもちろん、年数が経った後でも、ご自身の状態に合ったリハビリに取り組むことには大きな意味があります。

一方で、医療保険や介護保険が適用されるリハビリには、発症からの日数に応じた期間の上限や、回数・時間の制約があります。回復期を過ぎると、「まだ改善したいのに、十分なリハビリを受けられない」という状況に直面される方が少なくありません。こうした方は「脳卒中難民」とも呼ばれ、リハビリを続けたくても続けられる場所が少ないことが、長年の課題となってきました。

当院の院長・福富自身も、脳梗塞を経験し、退院後にリハビリを続けられる場の少なさを身をもって実感しました。その想いから、脳卒中再生医療センターと同じ施設内に「脳卒中リハビリテーションセンター」を併設。医師・脳卒中認定理学療法士・看護師によるチーム医療のもと、保険の枠にとらわれない、お一人おひとりに合わせたフルオーダーメイドの専門リハビリを提供しています。AIによる姿勢・歩行解析で改善の方向性を「見える化」できることも特長です。

長らく、「一度死んでしまった脳の神経細胞は元に戻らない」と考えられてきました。しかし、患者様ご自身の幹細胞を用いる再生医療によって、傷ついた神経や血管の修復・再生を目指すことができるようになってきています。再生医療は、これまでのリハビリに限界を感じておられた方や、発症から年数が経過した慢性期の方にとっても、新たな可能性を開く選択肢です。
日本初・パイオニア
2012年〜、日本で初めて民間医療機関として脳卒中の再生医療に取り組んだパイオニア。
院長自身が脳梗塞経験者
患者様・ご家族のお気持ちに寄り添った診療を大切にしています。
院内CPC(細胞培養室)
国際基準(GMP)に準拠した細胞培養室をセンター内に設置。施設間輸送を介さず、設定した製造・品質管理基準に基づいて院内で培養・管理しています。
大学・研究機関と連携
大阪医療大学内に立地し、科学的根拠のある治療を提供。リハビリ施設を併設しています。
ここでは、実際に当センターで治療を受け、後遺症の改善がみられた患者様の事例の一部をご紹介します。「もう良くならない」とあきらめていた方が、再生医療とリハビリによって前進された例は少なくありません。
脳梗塞・脳出血の後遺症は、発症から何年経っていても改善できますか?
発症から年数が経った慢性期であっても、改善の可能性があります。当センターでは発症から十年以上が経過してから治療を開始し、後遺症の改善がみられた方もいらっしゃいます。まずは現在の状態を医学的に評価することが第一歩です。
リハビリを続けても良くなりません。ほかに方法はありますか?
保険でのリハビリには期間の上限があり、「まだ改善したいのに受けられなくなった」という方も少なくありません。こうした場合の新たな選択肢として、患者様ご自身の幹細胞を用いる再生医療があります。リハビリとの併用により相乗効果も期待できます。
後遺症の麻痺やしびれは、再生医療で改善しますか?
麻痺・感覚障害(しびれ)・言語障害・嚥下障害など、脳卒中による様々な後遺症に対して改善が期待できます。ただし症状や状態によって異なりますので、まずはご相談ください。
本人が動けないのですが、家族だけで相談できますか?
はい。ご家族様だけでのご相談・ご来院を承っています。患者様の状況やMRI・CTの画像をお持ちいただければ、より具体的にご説明できます。遠方の方にはオンラインでのご相談も可能です。
「本人があまり動けない」「遠方で通院が難しい」という場合も、まずはご家族だけでのご相談や、オンラインでのご相談を承っています。これまでの治療内容が分かる資料やMRI・CTの画像をお持ちいただければ、より具体的にご説明できます。発症からの年数や後遺症の程度にかかわらず、「自分の場合はどうだろう」と思われたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
脳卒中の後遺症は、症状も、発症からの年数も、お一人おひとり異なります。だからこそ、まずは現在の状態をお聞かせください。
ご本人の方へ
「もう一度、自分の力で」を一緒に目指しましょう。発症から時間が経っていてもご相談ください。
配偶者の方へ
ご本人が動けなくても、まずはご家族だけでのご相談が可能です。回復は介護のご負担軽減にもつながります。
お子様(ご家族)の方へ
「親のために選択肢を知っておきたい」というご相談を多くいただいています。科学的根拠や治療実績についてもご説明します。
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