「歩けるようになった。でも、以前とは何かが違う」―そんなときに知ってほしい脳卒中の後遺症
脳卒中の後遺症というと、多くの方がまず思い浮かべるのは「手足の麻痺」ではないでしょうか。
右手が動かない。
歩くときに足を引きずる。
うまく立ち上がれない。
こうした症状は外から見ても比較的わかりやすいため、「脳卒中の後遺症だ」と周囲の人にも理解してもらいやすいものです。
ところが、脳卒中の後遺症には、外から見ただけではほとんどわからないものがあります。
「何度説明しても同じことを聞くようになった」
「以前は簡単にできていた料理ができなくなった」
「二つのことを同時に頼むと混乱してしまう」
「仕事に戻ったけれど、何から手をつければいいのかわからない」
「以前は穏やかな人だったのに、急に怒るようになった」
ご家族から、
「手足はかなり良くなったのですが、病気になる前とは何か違うんです」
という話を聞くことがあります。
この「何かが違う」の原因の一つが、高次脳機能障害です。
私は、脳卒中の後遺症を考えるとき、手や足がどれくらい動くかを見るだけでは十分ではないと考えています。
人がその人らしく生活していくためには、歩くことだけではなく、覚える、考える、話す、判断する、計画する、人と付き合うといった脳の働きが必要だからです。
今回は、この少しわかりにくい「高次脳機能障害」について、できるだけ難しい言葉を使わずにお話ししたいと思います。
そもそも「高次脳機能」って何でしょう?
「高次脳機能」という名前だけを見ると、とても難しい病気のように感じます。
でも、私たちは毎日の生活の中で、高次脳機能をずっと使っています。
たとえば、
「明日の10時に病院へ行く」
という予定があったとします。
まず、その予定を覚えておかなければなりません。
朝になったら時計を見て、
「そろそろ準備をしないと間に合わないな」
と考えます。
服を着替え、財布やスマートフォンを持ち、家を出ます。
駅まで行き、電車に乗り、目的地まで移動します。
病院に着いたら受付をして、自分の症状を医師に説明します。
何気ない行動に見えますが、実はこの中では、
覚える
注意を向ける
考える
順番を決める
言葉を理解する
自分の考えを伝える
状況に合わせて行動する
という、たくさんの脳の働きが使われています。
こうした、人が考えたり、覚えたり、判断したり、社会の中で行動したりするために必要な脳の働きを、大きくまとめて「高次脳機能」と呼びます。
脳卒中や頭部外傷などによって脳が傷つくと、この働きの一部がうまくいかなくなることがあります。
それが高次脳機能障害です。[1]
高次脳機能障害にはどんな症状があるのでしょうか?
日本で高次脳機能障害について説明するとき、特に重要なのが、
記憶障害
注意障害
遂行機能障害
社会的行動障害
の4つです。[1]
ただし、高次脳機能障害がこの4つだけという意味ではありません。
医学的には失語、失行、失認なども高次脳機能障害に含まれます。
2026年4月1日に施行された「高次脳機能障害者支援法」でも、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害だけでなく、失語、失行、失認などが明記されています。[2]
それぞれを、実際の生活で起こりそうな場面で考えてみましょう。
① 記憶障害
「さっき聞いたことなのに、また聞いてしまう」
たとえば奥さんが、
「今日は夕方4時から病院ですよ」
とご主人に伝えたとします。
ご主人は、
「わかった」
と答えます。
ところが10分ほどすると、
「今日はどこか行くの?」
と聞きます。
もう一度説明します。
それでも、しばらくすると、
「今日、何か予定あった?」
と聞いてきます。
ご家族からすると、
「さっき言ったでしょう」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、本人が話を聞いていないとは限りません。
聞いた内容を、新しい記憶として頭の中に残しておくことが難しくなっている可能性があります。
そのほかにも、
財布をどこに置いたかわからなくなる。
約束を忘れてしまう。
同じ質問を何度もする。
今日あった出来事を思い出せない。
このような症状がみられることがあります。[1]
不思議なのは、昔のことは非常によく覚えているのに、今日起こったことが覚えられない場合があることです。
だからこそ、ご家族も最初は「本当に記憶の障害なの?」と戸惑うことがあります。
② 注意障害
「集中できない」「二つのことをすると混乱する」
私たちの脳は、たくさん入ってくる情報の中から、今必要なものを選んで注意を向けています。
学校の教室を想像してみてください。
廊下では誰かが話している。
外では車が走っている。
隣の子が鉛筆を動かしている。
それでも先生の話を聞くことができます。
これは脳が、
「今は先生の話を聞こう」
と必要な情報を選んでいるからです。
ところが注意機能が障害されると、この「必要なものを選ぶ」ということが難しくなります。
テレビを見ながら話しかけられると、話の内容がわからなくなる。
料理をしている途中で電話が鳴り、電話が終わると鍋を火にかけていたことを忘れてしまう。
仕事をしていても、周囲の声が気になって作業が進まない。
何かを始めても、すぐ別のことに気を取られてしまう。
こうした形で現れることがあります。
国立障害者リハビリテーションセンターでも、「ミスが多い」「二つのことを同時にすると混乱する」「作業を長く続けられない」などが注意障害の特徴として挙げられています。[1]
これも「集中力がない性格になった」と考えてしまうと、本当の問題が見えなくなってしまいます。
③ 遂行機能障害
一つ一つはできる。でも「何からやればいいのか」がわからない
「遂行機能」という言葉は少し難しく聞こえます。
「目的を決めて、順番を考えて、最後までやり遂げるための脳の力」
と考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、カレーを作るとします。
材料を用意する。
野菜を切る。
肉を炒める。
野菜を入れる。
水を入れる。
煮込む。
最後にルーを入れる。
料理を作るためには、頭の中で順番を組み立てながら行動しなければなりません。
ところが遂行機能が障害されると、包丁を使うこともできる、野菜を切ることもできる、鍋を使うこともできる。
それなのに、カレーを完成させることができない、ということが起こります。
つまり、「できない」の意味が少し違うのです。
手が動かないわけではありません。
料理そのものを全部忘れてしまったわけでもありません。
どの順番で、何をすればゴールまでたどり着けるのか。その組み立てが難しくなっているのです。
仕事でも同じことが起こります。
以前なら簡単にできていた仕事なのに、何から手をつければよいかわからない。
途中で別の仕事を始めてしまう。
時間内に仕事が終わらない。
指示されればできるのに、一人になると進まない。
これも高次脳機能障害の一つです。[1]
④ 社会的行動障害
「性格が変わってしまった」と思われることがあります
これは、ご家族にとって非常につらい症状の一つだと思います。
脳卒中になる前はとても穏やかだった人が、少し注意されただけで怒るようになる。
突然大きな声を出す。
その場に合わないことを言ってしまう。
相手の気持ちを考えずに行動してしまう。
反対に、以前は活発だった人が、何をするにも無気力になることもあります。
ご家族からすると、
「病気をして性格まで変わってしまった」
と感じるかもしれません。
しかし、これには注意が必要です。
人の感情や行動をコントロールするのも脳の仕事です。
その働きが脳卒中によって障害されれば、以前とは違った行動が現れることがあります。[1]
すべてを「性格の問題」として片づけてしまうと、本人もご家族も苦しくなってしまいます。
失語
「わかっているのに、言葉が出ない」
失語症も、脳卒中ではとても重要な症状です。
頭の中には言いたいことがある。
目の前にあるものが何なのかもわかっている。
ところが、その名前が出てこない。
逆に、相手が話している言葉そのものを理解しにくくなることもあります。
読むことや書くことが難しくなる場合もあります。
ここでぜひ知っていただきたいことがあります。
「話せない」と「考えていない」は、まったく同じではありません。
うまく話せない患者さんに対して、ご家族が先回りして全部答えてしまうことがあります。
もちろん、ご家族は助けようと思ってされています。
しかし本人の中には、
「自分で伝えたい」
という思いが残っているかもしれません。
言葉が出てくるまで少し待つ。
「はい」「いいえ」で答えられる質問にする。
写真や文字を使う。
そうした工夫でコミュニケーションが取りやすくなることがあります。
失行
手は動くのに「どうやって使うのか」がわからない
たとえば、歯ブラシを渡します。
手は動きます。
歯ブラシを握る力もあります。
しかし、
「歯を磨いてください」
と言われると、うまく使えない。
あるいは服を着ようとしても、どのように着ればよいのかわからない。
このように、麻痺だけでは説明できない「動作の難しさ」が起こることがあります。
これを失行といいます。
失認
見えている。でも「それが何なのか」がわからない
目は見えているのに、目の前にあるものが何なのかを認識できないことがあります。
たとえば、見えている物を目から入った情報として脳がうまく理解できない状態です。
つまり、目そのものに問題があるのではなく、
「目から入った情報を脳の中で意味のあるものとして理解する」
という部分に障害が起こっています。
これを失認といいます。
左側にあるものに気づかない
半側空間無視
脳卒中の患者さんを診ていると、もう一つ知っておいてほしい症状があります。
それは半側空間無視です。
典型的には右側の大脳が障害されたときに、左側の空間へ注意を向けにくくなることがあります。
たとえば食事をしていて、お皿の右半分だけ食べて、
「全部食べました」
と言う。
左側を見ると、まだ料理が残っています。
車椅子で移動するときに左側の壁や物にぶつかる。
顔の右側だけひげを剃って、左側を剃り忘れる。
本人に、
「左側が見えていませんか?」
と聞いても、
「普通に見えています」
と答えることもあります。
これが半側空間無視の難しいところです。
単純に「左目が見えていない」という話ではありません。
脳が左側の空間へ注意を向けにくくなっているのです。[3]
高次脳機能障害が難しい本当の理由
私は、高次脳機能障害の一番難しいところは「外から見えにくいこと」だと思います。
たとえば右半身に麻痺があれば、周りの人も、
「右手が動きにくいんだな」
と理解してくれます。
杖をついていれば、
「歩くのが大変なんだな」
と気づいてもらえます。
ところが、
新しいことを覚えられない。
二つのことを同時にできない。
予定を立てられない。
感情を抑えられない。
言葉がうまく出ない。
こうした障害は、ちょっと見ただけではわかりません。
そのため、
「ちゃんと聞いていない」
「やる気がない」
「怠けている」
「わがままになった」
「性格が変わった」
と誤解されることがあります。
国立障害者リハビリテーションセンターも、高次脳機能障害は一見して認識することが難しく、「人が変わった」「怠け者になった」などと誤解されるケースがあることを指摘しています。[4]
2026年4月1日に施行された高次脳機能障害者支援法も、高次脳機能障害が外から判断しづらく、そのため患者さんやご家族が日常生活や社会生活で困難を抱えていることを法律制定の背景として挙げています。[2]
本人自身が「自分は変わっていない」と思っていることもあります
さらに難しいことがあります。
それは患者さん本人が、自分の障害に十分気づいていない場合です。
ご家族から見ると、
「病気になる前とは明らかに違う」
ところが本人は、
「以前と何も変わっていない」
「自分は一人でできる」
と思っている。
すると、
「危ないから一人で出かけないで」
「どうして?普通にできるよ」
というやり取りになります。
ご家族は心配して言っている。
本人からすれば、自由を奪われているように感じる。
どちらもつらいのです。
だから高次脳機能障害を考えるときには、患者さん本人だけを診るのではだめなのです。
病気になる前にどのような生活をしていたのか。
今、家では何が起きているのか。
仕事ではどんなことに困っているのか。
ご家族は何が変わったと感じているのか。
こうした情報まで含めて評価することが大切です。
「歩けるようになった=元どおり」ではありません
これは、私が脳卒中の後遺症を考えるうえで、とても大切にしているところです。
リハビリを頑張って歩けるようになった。
手が少し使えるようになった。
自分で食事ができるようになった。
もちろん、これは大きな回復です。
ですが、それだけで脳卒中になる前の生活に戻れるとは限りません。
病院の中では問題がなかったのに、家に帰って初めて、
料理ができない。
お金の管理ができない。
薬を飲んだことを忘れる。
一人で買い物へ行けない。
家族との会話がうまくいかない。
仕事に戻れない。
という問題に直面することがあります。
脳卒中後の認知機能障害は決して珍しいものではありません。
American Heart Association/American Stroke Associationが2023年に発表したScientific Statementでは、脳卒中後1年以内には、軽度から重度まで含めた脳卒中後認知機能障害が最大約60%にみられると報告されています。[5]
これは日本で行政的に定義されている「高次脳機能障害」とまったく同じ概念ではありませんが、脳卒中後に認知機能をきちんと見る必要があることを示す重要な数字です。
だから私は、
「何メートル歩けるようになったか」
だけではなく、
「その人がどんな生活を取り戻せたのか」
を見ることが大切だと考えています。
高次脳機能障害はどうやって調べるのでしょうか?
高次脳機能障害は、血液検査を一回すればわかるようなものではありません。
MRIやCTで脳のどこが傷ついているのかを確認する。
記憶力を調べる。
注意力を調べる。
言葉の機能を調べる。
計画を立てる力を調べる。
そして何より、実際の生活で何に困っているのかを確認します。
大切なのは、
「検査の点数だけを見るのではない」
ということです。
診察室では問題なく話せても、家に帰ると生活がうまくできない人もいます。
逆に検査では苦手なところがあっても、ご家族の工夫によって生活できている人もいます。
高次脳機能障害の評価では、画像、神経心理学的検査、患者さん本人の状態、ご家族からの情報、実際の生活状況を合わせて考える必要があります。[1][5]
ご家族だからこそ気づけることがあります
私は、ご家族から聞く話をとても大切にする必要があると思っています。
なぜなら、病気になる前の患者さんを一番よく知っているのは、ご家族だからです。
「この人は以前ならこんなミスをしませんでした」
「同じ話を何度もする人ではなかったんです」
「料理が大好きで、何でも作れる人でした」
「もともとは本当に穏やかな人でした」
こうした話は非常に重要です。
MRIの画像だけを見てもわからない「その人の変化」が、ご家族の言葉から見えてくることがあります。
「できないこと」を叱る前に、「なぜできないのか」を考える
高次脳機能障害への対応で大切なのは、
「もっと頑張って」
だけで解決しようとしないことです。
たとえば記憶することが難しければ、メモやスマートフォン、予定表を使う。
注意がそれやすければ、テレビを消して静かな場所で話す。
一度に、
「着替えて、薬を飲んで、歯を磨いて、荷物を持ってきて」
と言うのではなく、
「まず着替えましょう」
それが終わったら、
「次に薬を飲みましょう」
と一つずつ伝える。
予定を立てることが難しければ、やることを順番に紙に書く。
できなくなった脳の働きを、残っている力や周囲の環境で補うのです。
高次脳機能障害のリハビリテーションでは、この「その人に合った工夫」を探していくことも重要なのです。[1]
日本には約23万人いると推計されています
高次脳機能障害は、決して一部の人だけの問題ではありません。
厚生労働省は、高次脳機能障害の患者数を全国で約23万人と推計しています。[2]
そして2026年4月1日、高次脳機能障害者支援法が施行されました。
法律では、医療やリハビリだけではなく、地域生活、教育、就労、家族への支援、相談体制など、さまざまな場面で切れ目なく支援していくことが示されています。[2]
私は、この法律ができたこと自体が一つの大切なメッセージだと思っています。
高次脳機能障害は、
「本人が頑張れば何とかなる」
「家族が面倒を見ればいい」
という問題ではありません。
医療、リハビリ、福祉、そして社会全体で理解して支えていく必要のある障害なのです。
脳卒中の後遺症を「手足だけ」で見ない
脳卒中再生医療センターが脳卒中の患者さんを診るとき、私たちは後遺症を手足の麻痺だけでは見ないようにしています。
人が生きていくためには、
歩く。
手を使う。
食べる。
だけではありません。
家族と話す。
人の話を理解する。
今日の予定を覚えておく。
自分で考える。
買い物をする。
料理をする。
趣味を楽しむ。
仕事をする。
こうしたことも、全て「生活」なのです。
だから、
「右手が何センチ上がった」
「何メートル歩けた」
ということだけを見るのではなく、
その患者さんは脳卒中になる前、どんな生活をしていたのか。
今、一番困っていることは何なのか。
そして、これから何を取り戻したいのか。
そこまで考えることが、脳卒中後遺症を診るうえでは大切だと思っています。
再生医療について考えるときにも決して忘れてはいけないこと
脳卒中後遺症に対する再生医療を考えるときも同じです。
手足の運動機能だけを見ればよいとは私は考えていません。
患者さんが本当に望んでいるものは、
「検査の数字を良くすること」
そのものではないからです。
家族ともう一度会話をしたい。
自分で買い物へ行きたい。
旅行へ行きたい。
孫と遊びたい。
仕事に戻りたい。
もう一度、自分らしく生活したい。
多くの場合、その先にあるのはこうした目標ではないでしょうか。
その意味でも、運動機能だけでなく、高次脳機能や日常生活、QOLまで含めて患者さんを評価する視点が大切だと考えています。
ただし、
高次脳機能障害に対して再生医療を行えば必ず改善する、ということが現在の医学で確立されているわけではありません。
だからこそ、患者さん一人ひとりの状態を評価し、現在受けているリハビリテーションや標準的な治療を大切にしながら、どのような可能性があるのかを慎重に考える必要があります。
「何か以前と違う」と感じたら、その感覚を大切にしてください
脳卒中のあと、
「歩けるようになったから、もう大丈夫だと思っていた」
ところが家に帰ると何かがおかしい。
何度も同じことを聞く。
会話がかみ合わない。
一人で行動できなくなった。
怒りっぽくなった。
料理ができなくなった。
仕事に戻れない。
そうしたとき、
「本人の性格が変わってしまった」
と結論を出す前に、高次脳機能障害の可能性について一度考えてみてください。
脳卒中の後遺症には、目に見えるものがあります。
そして、目には見えにくいものもあります。
高次脳機能障害を知ることは、患者さんを正しく理解するための第一歩です。
大切なのは、
「何ができないのか」
だけを見ることではありません。
「なぜ、それができないのか」
を考えることです。
原因がわかれば、接し方が変わります。
リハビリの方法が変わることもあります。
家族の負担が少し軽くなることもあります。
そして何より、患者さん本人を見る目が変わります。
脳卒中再生医療センターでは、手足の麻痺だけではなく、患者さんが脳卒中によって失った「生活」そのものに目を向けながら、脳卒中後遺症について考えていきたいと思っています。
それは僕も脳卒中になった本人だからこそ、そう思えるようになったのです。
これからも、脳卒中になった患者さんとそのご家族に本当に知っていただきたいことを、できるだけわかりやすい言葉でお伝えしていきます。
参考文献
1.国立障害者リハビリテーションセンター 高次脳機能障害情報・支援センター
「高次脳機能障害を理解する」「医療について知りたい」
記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害および高次脳機能障害の基本的な考え方を参照しました。
国立障害者リハビリテーションセンターの資料を読む
高次脳機能障害の医療情報を読む
2.厚生労働省
「高次脳機能障害者支援法」令和7年法律第96号
2025年12月24日公布、2026年4月1日施行。
法律では、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語、失行、失認などが高次脳機能障害として示されています。また患者数は全国で約23万人と推計されています。[厚生労働省、2026年]
厚生労働省「高次脳機能障害者支援法」概要資料を見る
厚生労働省の高次脳機能障害者支援法関係ページを見る
3.日本脳卒中学会
『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕』
日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会。2023年6月30日改訂。
脳卒中後の高次脳機能障害、失語、半側空間無視などの評価・リハビリテーションを考える際の参考資料としました。
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕を読む
4.国立障害者リハビリテーションセンター
「高次脳機能障害支援モデル事業の報告書」
高次脳機能障害は外から認識しにくいため、「人が変わった」「怠け者になった」などの誤解を受けることがあると報告されています。
高次脳機能障害支援モデル事業の報告書を読む
5.El Husseini N, Katzan I, Rost NS, et al.
Cognitive Impairment Following Ischemic and Hemorrhagic Stroke: A Scientific Statement From the American Heart Association/American Stroke Association.
Stroke. 2023;54(6).
DOI: 10.1161/STR.0000000000000430
AHA/ASAによるScientific Statementです。脳卒中後認知機能障害は脳卒中後1年以内に最大約60%にみられるとされ、認知機能の評価、経過、診断、治療・管理について詳しくまとめられています。現在は全文を無料で確認できます。
論文全文を無料で読む(PubMed Central)
PubMedで論文情報を見る
6.Ma Y, Yang Y, Wang X, et al.
Prevalence and Risk Factors of Poststroke Cognitive Impairment: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Public Health Nursing. 2025;42(2):1047-1059.
DOI: 10.1111/phn.13503
49論文を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析です。解析では脳卒中後認知機能障害の統合有病率は39~47%と報告されています。研究間の定義や対象患者の違いがあるため数字の解釈には注意が必要ですが、脳卒中後に認知機能を評価する重要性を示す資料です。
PubMedで論文とFull Textリンクを見る
7.Dowling NM, Johnson S, Nadareishvili Z.
Poststroke Cognitive Impairment and the Risk of Recurrent Stroke and Mortality: Systematic Review and Meta-Analysis.
Journal of the American Heart Association. 2024;13(18).
DOI: 10.1161/JAHA.123.033807
27研究、39,412例を統合したメタ解析です。脳卒中後認知機能障害を認めた患者群では、認めなかった患者群と比較して脳卒中再発のハザードが1.59倍、死亡のハザードが2.07倍でした。ただし、これは関連を示した観察研究の統合結果であり、高次脳機能障害そのものが再発や死亡の直接原因であることを証明したものではありません。
論文全文を無料で読む(PubMed Central)
