こんにちは!脳卒中再生医療センター 培養士の渡邉です。
前回のブログでは「日焼けで皮がむけるのは、ダメージを受けた細胞を新しい細胞に入れ替える修復反応」というお話をご紹介しました。
今回はそこから一歩踏み込んで、お肌が日々新しく生まれ変わる仕組み「ターンオーバー」と、細胞を扱うプロである培養士の視点からみた「日常生活でできる健やかな肌細胞の育て方」について解説します!
肌の生まれ変わり「ターンオーバー」とは?
私たちの表皮の一番奥にある「基底層(きていそう)」という部分では、新しい細胞が毎日作られています。
生まれた細胞は、成長しながら少しずつ肌の表面へと押し上げられていき、やがて最表面に到達すると「角質」という頑丈なバリアとなって、乾燥や外敵から私たちの体を健気に守ってくれます。
そしてしっかりと役割を果たし終えると、次に控える新しい細胞へ後を託すように、最後は垢(あか)となって静かに剥がれ落ちていきます。
この一連のサイクルをターンオーバーと呼びます。健康なお肌では、この周期が約28日〜40日のペースでくり返されています。
ターンオーバーが乱れると…?
- 周期が早い場合:
強い紫外線や摩擦などで刺激を受けると、肌は急いで新しい細胞を作ろうとします。しかし、突貫工事で作られた未熟な細胞はバリア機能が弱いため、乾燥や荒れを引き起こしやすくなります。 - 周期が遅い場合:
加齢や睡眠不足、血行不良で代謝が落ちると、古い角質が表面に溜まり、くすみやゴワつき、毛穴の詰まりの原因になります。
日常でできる「健やかな肌細胞の育て方」
私たち細胞培養士は、CPC(細胞加工施設・培養室)で繊細な細胞を取り扱い、元気に増殖できるよう毎日ケアをしています。実は、「培養室で細胞を育てる環境」と「体内で健康な肌細胞を育てる環境」には共通点が多くあります。
今日からすぐ試せる、2つのセルフケアポイントをご紹介します!
① 保湿:入浴後は「15分以内」のケアが勝負!
培養室の中では、細胞が乾燥しないよう常に高湿度・最適な温度の「CO2インキュベーター(培養器)」という装置で守っています。それほど細胞にとって「乾燥」は大敵だからです。
お肌も同じで、特に注意したいのがお風呂上がりです。入浴直後は肌の水分量が高まっていますが、15分以上放置すると、入浴前よりも肌の水分量が低下する「超乾燥状態」に陥ってしまいます。
肌細胞を守るためにも、お風呂から上がったら15分以内(できれば5〜10分以内)に化粧水や乳液でしっかり蓋をして、水分を閉じ込めましょう。
② 栄養:細胞を元気に補修する「ビタミンC&E」
培養室で使う「培養液」には、細胞の成長に必要なビタミンやアミノ酸などの栄養が凝縮されています。私たちの肌細胞も、日頃の食事から届く栄養によって元気に生まれ変わります。
特に細胞のダメージを防ぎ、新陳代謝を助けるビタミンCとビタミンEは積極的に摂りたい栄養素です。
■ ビタミンC(コラーゲンの生成を助け、細胞の酸化を防ぐ)
- おすすめ食材:キウイフルーツ、赤・黄パプリカ、ブロッコリー、いちごなど
※ビタミンCは体に溜め込めないため、毎食こまめに摂るのがポイントです。
■ ビタミンE(血行を促進し、細胞へ栄養を行き渡らせる)
- おすすめ食材:アーモンドなどのナッツ類、アボカド、うなぎ、すりごまなど
※ビタミンEは油と一緒に摂ると吸収率がアップします!
お肉や大豆製品などのタンパク質と一緒にこれらのビタミンを組み合わせると、より元気な細胞を育てる栄養源になります。
まとめ
お肌のターンオーバーは、目に見えないところで細胞たちが休まず続けている「毎日の生まれ変わり」です。
「お風呂上がりの早めの保湿」と「細胞の栄養になる食事」の2つを意識するだけでも、次に生まれてくる肌細胞の質はグッと高まります。
季節の変わり目はターンオーバーが乱れやすい時期でもあります。ぜひ、ご自身の細胞を「育ててあげる」イメージで、日頃のケアを試してみてくださいね!

